題名は忘れてしまいましたが、ずっと昔読んだ本に『雑草』という言葉について、次のような事が書かれていました。
「いつ頃から使われ出したかは定かではないが、日本人は農耕民族だったので、農地に侵入して作物の収穫量を減らす,雑多な植物を雑草と呼ぶようになったのだろう」 という事は、農地に生えていなければ『雑草』ではない事になります。 そこで今度は、手元の辞書を引いてみると「栽培作物以外の自然に生えた雑多な草」「wild grass ワイルドグラス」となっていました。という事は、高山植物も栽培作物ではありませんから『雑草』という事になります。しかし誰も雑草とは言いませんね。 偶然訪れた、あるブログに「この花は雑草、それとも野草でしょうか」という記事がありました。 【区別する必要があるのでしょうか。英語のように『野草』でいいのではないでしょうか。】 同属でありながら一方は雑草と呼ばれ,片方はそう呼ばれない。例えば街中のカタバミと山のミヤマカタバミがそうでしょう。なんだか変だとは思いませんか。 ちなみに、『カタバミ』は『ヤマトシジミ(チョウ)』の『命』を育んでいます。人間にその代わりができますか。 以前、ある感察会で『カタバミ』を感察ししてもらおうと指さすと、一人の女性が「その雑草、取っても取っても生えてきて困るのよね」と仰いました。 そこで私は、間髪を入れず「ヤマトシジミというチョウを知っていますか?」と聞きました。すぐさま、一番後方の男性が「先生、ここにいますよ」と・・・ 私は先ほどの女性に聞きました。「瑠璃色で可愛いですね。チョウはお好きですか?」「チョウは綺麗で可愛いから好き」「カタバミは綺麗ではないですか?」「雑草だもん、そんなこと考えて事ありません」「ヤマトシジミは何を食べているか知っていますか?」「花の蜜でしょう。そのくらいは私でも知っています」「では、幼虫の時の食べ物は?」「・・・」(沈黙) ヤマトシジミの幼虫は先ほどあなたが雑草と呼んだ『カタバミ』の葉を食べて大きくなり、あなたが先ほど可愛いと言ったチョウ『ヤマトシジミ』になるのです。 間をおいて「先生、今度から半分くらいは残すようにします」 参加者全員が頷いています。 【散歩画像より】 2008.4.3撮影
by hitakijo1985
| 2010-04-28 07:51
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by hitakijo1985 メモ帳
『自然感察』は
1985年11月11日に私が創作した造語。思いついた経緯はもうひとつのブログ『スケッチ感察ノート』の2006年7月6日の記事に書いてあります。 ☆もう一つのブログ☆ 『スケッチ感察ノート』 ※ブログ内の文章・画像の無断使用・転載を禁じます。 カテゴリ
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